日本の森林整備の動向をわかりやすく解説【林業基本法/水源林造成/分収林/齢級】

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今回は少しバラバラな内容が混在しますが、日本の昭和〜平成にかけての森林整備の動向について

・法律 ・植林面積 ・樹種 ・事業

の面からまとめていきたいと思います。

 

今回は

分収林特別措置法,水源林造成事業,林業基本法,分収林,齢級

などがキーワードとして登場します。

昭和期の法律

 

①『林業基本法』

法律の名前で『森林・林業』じゃなくて、『林業』って言い方がもう古い感じがする。

林業総生産の増加、林業従事者の地位向上を計画した法律。
現在の『森林・林業基本法』のことです。

 

『森林・林業基本法』に関しては以下の記事でまとめてあります。↓

【森林計画制度】どんな法律が日本の森林を管理しているの?【森林・林業基本計画/全国森林計画/市町村森林整備計画/森林経営計画】
この記事を読むと、森林・林業基本計画や全国森林計画、市町村森林整備計画、森林経営計画などの日本の森林計画について簡単に説明できるようになります。

 

 

②『分収林特別措置法』

分収林とは、森林所有者と森林経営者、実際に森の中で造成と保育をした管理者の3者で伐採後の収益を分割する契約をした森林のことだよ。

森林所有者と経営者が同じ場合は管理者との2者間で取り決められるね。

 

 

そして、分収林制度を全国に広めたのがこの『分収林特別措置法』です。

所有と経営を分離できるようになったので、この法律が戦後の拡大造林に一役買ったと言えます。

 

年間の植林面積【今はどうなっているの?】

 

では、『分収林特別措置法』などによって拡大造林が図られましたが、現在では植林面積はどうなっているのでしょうか。

 

企業による植林(森づくり)面積こそ2004年以降常に右肩あがりで伸び続けていますが、

年間植林面積は昭和28年(1953年)の43万haをピークに、以降右肩下がりで下がっています。2010年では、2.4万haほどしか植林されていません。(※1)

 

なんと2.4/43=0.05と植林面積がピーク時の20分の1になっています。

 

ええええええええ!!

えええ!!となった方もいらっしゃるかもしれませんが、

実は驚くべきことではありません。

 

現在の日本が植わっている木の半分が伐期を迎えているのに関わらず切らず放置しているので、伐採していないのだから植える必要も特にないためです。

 

参考
※1:H23年度 森林・林業白書

 

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人工林、どれくらい使っているの?

 

日本は木を切っていないから植えられないのだという話を今しましたが、
人工林のうち、使うべき木はどれくらいあるのでしょうか。

 

10齢級以上の木を使うべき木とすることにします。

 

齢級とは、人工林の苗木が植えられてから1〜5年を1齢級、6〜10年を2齢級…というように、5年ごとに数えるんだ。

 

すると、人工林のうち10齢級以上のものは51%あるため、人工林のうち半分は使っていい木になります。

 

逆に、この5割もの10齢級以上の木を使っていかないと次の木が植えられず、森林の中で人間でいう”高齢化”が起こってしまいます。

 

おじいちゃん、おばあちゃんばっかりの森林も嫌だね。

 

人工林、どんな木が植えられているの?

 

ここまで人工林のお話を続けてきましたが、この記事も後半になりまして、話題を変えたいと思います。

 

日本の針葉樹、具体的に何という木が植えられているのか、皆さまはパッと何が思いつくでしょうか。

日本の森林のうち、人工林は4割もあるため、花粉症が多いと以前の記事に書きました。

そうです、皆さまを花粉症に悩ませるあの木たちがランクインしています…。

 

1位!スギ!

2位!ヒノキ!

 

では3位は何でしょうか。

 

 

カラマツです。

平成21年度の生産本数では、スギが1,700万本、ヒノキが1,500万本、カラマツが1,000本となっていました。

 

『水源林造成事業』

 

ここからはまた違ったお話をします。

 

”良い山”は土壌が発達していて、雨水も山の中で綺麗に濾過します。

そのため、おいしい飲み水を飲むためには森林の持つ水源涵養能力(川に流す流量を調節すること、水質をよくすること)を高めることが必要です。

 

『水源林造成事業』とは、国立研究開発法人森林研究・整備機構森林整備センターが実施する事業で、

ダムの上流に存在する水源涵養の上で大切な森林のうち、水源涵養能力が低くなっている場所について、水源を涵養するための森林を作る手助けを行う事業のことです。

 

確かに、飲料水を作っている会社も森づくりをしているね。

おいしい水は健全な山とそこからできる健全な川からできるからね。

 

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まとめ

 

いかがだったでしょうか。

今回は日本の森林の動向について、様々な角度から紹介してみました。

このサイトの森林・林業カテゴリーを見てくださっている方は、以前の記事との連動もあり、勉強になったのではないでしょうか。

 

次回は国有林野事業についてか、あるいは森林環境税について、はたまたアベンジャーズについて書こうか迷っていますが、また明日も更新します。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

 

●参考文献

森林・林業白書