こんにちは、KOYA です。
プロストックに関する記事「【テニス】プロストックラケットの真実。確実・格安に入手できる方法と使用感、画像をお見せします」を販売しているのですが、こちらの購入者の方から下記のような質問をいただきました。
プロストックの記事を確認しました。
現在、バボラのアエロストームのプロストックを交渉中です。 本物と偽物の見分け方とかありますか? ぐりっぷ内部には必ずシリコンが入ってるもんなんでしょうか? スロート内面の表記は無かったです。
回答としては、下記のようになります。
▪︎グリップ内部のシリコン
:ほぼ充填されていますが、1本シリコンが後から外されたプロストックを所有しています。※前の所有者さんが軽くするために外しました。
▪︎スロート内部のスペック記載
:スペックが全て××gのようになっているものも所有していますが、市販のスペックが書いてある(すなわち嘘)ものも持っています。すなわち、スペック記載が市販と同じだからだといって、プロストックでないとは判断できません。
結論としては、今ある条件だけだと本物かどうか見分けられないですよね。
「どうやったら本物の可能性が高いプロストックであるか見分けられるか」について深掘り解説していきます。
動画でも解説しています
※チャンネル登録していただくと、今後の更新を見逃さないのでおすすめです。
形状は市販のものと同じか
ラケットのフレーム形状としては、「ラウンド形状」と「ボックス形状」がありますが、飛ばないけれども、コントロールと打感に優れるボックス形状を好むプロが多く、そのために「市販品はラウンド形状だけど、プロが実際に使っているラケットをよくみたらボックス形状」ということはよくあります。
プロストックが本物かどうかを見分ける一つの方法は、「ラケットのフレーム形状」に着目することですね。
▪︎プロストック版はBOX形状というパターン
▪︎スロート形状に違いはないか
▪︎フェイス面積はどうか
上記のポイントに当てはまれば、それが本物である可能性が高いです。
スロート形状の違い
ウィルソンから出ている「ブレード98」に対して、同社のプロストックである「H19」はスロートのカーブが内側に急になっています。
今でいうと、2017年に新しく出た、「ウルトラツアー97」のスロート形状ですね。
フェイス面積の違い
そして、上記のウルトラツアー97とH19だと、ウルトラツアーが97平方インチ、H19が98平方インチというフェイス面積の違いもあります。
これだと、ほぼ差がなくて実際に見ても違いがわからないかもですが、例えば、以前ウィルソンにあった、「ブレード93」というモデルだと、中身が98平方インチである「H22」になっているのは簡単にわかりました。
重さの違いはどうか
見た目は同じでも、重量で市販品とは違う場合があります。
プロストックはシリコンや鉛を入れる前の状態で260~300gで、ここにシリコン充填や鉛荷重が施されることで300~360gといったスペックになります。
なので、我々の手に入るときには、基本的に市販品よりも重たい状態で手に入ることになります。
ウルトラツアー97とH19の例
先ほども出てきましたが、ウィルソンのウルトラツアー97とH19ですが、両者の重量を比較すると、ウルトラツアー97が305gなのに対してH19は330gです。
プロストックが必ず良いとは限らない
いくら、H19にムチのような強靭なしなりがあって、相手コートに暴力的な球が行くにしても、330gを5時間も6時間も振れますかね。
自分で言うのもアレですが、僕はわりと細マッチョなのです。しかし、それでも何時間も使っていくことを考えると、305gくらいでちょうどいいです。 ※軽いプロストックもあります
ツヤの有無が市販と違わないか
ラケットの光沢具合にも、着目してみましょう。
▪︎市販品:ツアあり、プロストック:ツヤ消し
▪︎市販品:ツヤ消し、プロストック:ツヤあり
どちらのパターンもあります。
ウィルソンがブレードシリーズやプロスタッフシリーズで「ベルベットペイントコーティング」のラケットを出していますが、選手のものは光沢があったりしますよね。
クビトバのプロスタッフ
大坂なおみと対決した全豪2019決勝の写真なんかがすぐ出てくると思いますが、彼女のプロスタッフ97は完全に光沢がある仕様です。
What Does Petra Kvitova Think About Tiger Woods’s Comeback? | Beyond the Baseline Podcast https://t.co/iijDMQZ9gW pic.twitter.com/2PNwW0OpXA
— Zyite.com (@zyiteblog) April 18, 2019
ストリングの間隔はどうか
横糸に対するコスメの場所も注意して観察しましょう。
よく見ると、市販品とは柄の位置がズレていたりしますよ。
フェデラーのプロストックの場合
フェデラーの[n]six.one tour90のときは、スイートスポット周りのクロスストリングの間隔が市販品と違いまして、形状が同じでもここで判断できました。
そのほか、ブレード98のプロストックでも、コスメのズレはありますね。
ただし、同じH22でも、選手によってH22同士でもコスメがズレていることが以前ありました。
シリコンの有無
僕がこれまで見てきたプロストックは、全てシリコン充填が施されていたので、シリコンが入っていたらプロストックである可能性は大きく高まります。
とはいえ、記事冒頭でお答えしたように、軽量化をはかって「後から剥がされる」場合もあるので、その場合は、シリコンの痕跡なんかが残っているか確認ですね。
▲こちらがプロストックのグリップ内部。シリコン充填がなされています。 ※下記で紹介している「プロストック本」の中ではたくさん実物の画像が出てきます。
市販のラケットのグリップ内部
グリップ内部はスカスカの発泡ウレタン(スポンジみたいなもの)が衝撃吸収のためか入れられています。
上記のシリコンに対して、軽量です。
市販ラケットを重くしたい場合
プロストックラケットのグリップ内部のシリコン部は、ここに鉛も一緒に入れられたりすることがあるのですが、同様に市販ラケットでもエンドキャップを外した中に鉛を入れてOKですよ。
これを好きな長さに切って、丸めてグリップ内部に張る感じですね。
グリップ内部が重くなる分にはトップライトになるだけです。
※人間は、ラケットの先端部が重くなることには敏感だけど、手元の重量変化には気づきにくいので、フェイス内に貼るよりも、僕はグリップ内部に張る方がおすすめ。
ラケットを振ってみる【一番の判断方法】
ああだこうだ言ってきましたが、「市販のラケットを借りてきて打ち比べてみる」、これが最強の答え合わせ方法なのではないでしょうか。
プロストックならば、素材の良さからしなりと粘り気が素晴らしかったりするので、市販のラケットとは全く打感が違いますよ。
しっとりしているかどうか、あなた自身の手で確かめてみましょう。
そんなわけで、今回はこれくらいにしておこうと思います。
プロストックに関しては、こちらの記事をお読みいただけると、入手方法がわかります(通称:「プロストック本」)。
>>【テニス】プロストックラケットの真実。確実・格安に入手できる方法と使用感、画像をお見せします
僕の所有しているプロストックも画像付きで公開しているので、参考になるはずですよ。