ウィルソンのクラッシュは超楽に剛速球が飛ぶ【打感はCLASH独特】試打レビュー

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ラケット知識、試打

こんにちは、KOYA@ソリンドです。

 

先日ウィルソンから「#ウィルソンの革命」ということで革新的なラケットが発表されましたね。

 

その名も「CLASH」(クラッシュ)

見た目的にはプロスタッフシリーズとBURNシリーズを混ぜたようなコスメをしていますが、実際の使用感はどのようなのでしょうか。

 

この記事では、「革命」と謳われる大注目ラケット、CLASHの特徴について探っていきたいと思います。

 

 

CLASH最大の特徴は「しなり」。

 

いきなりCLASH最大の特徴からいってしまいますが、このラケットの特徴について最も注目すべき点は、独自の「しなり」性能です。

 

 

この動画を見れば一目瞭然ですが、現代のグラファイトラケットなのに、、ちょっと「しなり」すぎていませんか?もはや、折れそうなレベル。

 

「しなる」と何がハッピーなのかというと、「打感」が良くなります。ラケットが柔らかい、ということと同義で、すなわちフィーリング重視で気持ちよく打てます。

 

「しなり」と「パワー」はこれまで両立できなかった

 

 

CLASHの最大の特徴が「しなり」だということをお伝えしましたが、これだけだと「今までのラケットの中で最もしなりを重視したラケット」となるだけですよね。

 

それでも十分すごいのですが、CLASHの強みは「しなり」と相反する要素である「パワー」も十分に両立させている、という点です。

 

●「しなり」と「パワー」の両立できない関係

▪︎「しなり」:柔らかいフレームで、打感・フィーリングをよくする。パワーは下がる
▪︎「パワー」:硬いフレームで、反発力を高める。パワーとコントロールが向上するが、打感はボヤける

 

「しなり」と「パワー」の間には上記のような相反する関係性があり、すなわち「打感がいいラケット」と「パワーのあるラケット」の両立は難しいとされてきました。

 

※例外がプロストック、特にH19などの薄いフレームのプロ支給ラケットでして、これらは打感がこの上なく良いのにムチのようにしなり、強烈なビンタのような球が相手コートに突き刺さりました。これは圧倒的な素材の差に起因するものです。

 

CLASHでは、スロート部分の形状を多角形型に設定することで、この相対する2つの性質をどちらも高次元で実現することに成功しています。

 

クラッシュのスペックは?

 

 

CLASHの特徴がどのようにして実現できたのかを理解した上で、次にCLASHのスペックについて見ていきましょう。

 

2019年2月現在、発売されているモデルは以下の2つです。

 

●CLASH 100
▪︎フェイズ面積:100
▪︎重量:295g
▪︎フレーム厚:24.0mm
▪︎ストリングパターン:16×19

 

●CLASH 100 TOUR
▪︎フェイズ面積:100
▪︎重量:310g
▪︎フレーム厚:24.0mm
 
まさかの重さの違いだけでした。
 
「TOUTR」の方が310gと思い分トップライトになっているとのことですが、重さが変わってもフェイス面積とフレーム厚を買えなかったのはウィルソンにしてはかなり珍しいことだと思います。
 
打つ前は、スペックから判断するしかないので、フェイス面積、フレーム厚はスペック的なハードルがとても低いので、「310g」という重量さえそんなに苦でないならば「TOUR」の方が使えそうに思いました。
 
しかし、実際に打ったところ、295gの方で全く打ち負けないし、簡単に速いボールが飛ばせるわで、結論としては「断然295gの方がおすすめ」です。
 
※20代〜40代の男性なら310gは重さだけでいえば問題なしです。
 
ふつう「24.0mm」だと打感が悪くなるので、たぶんCLASHは素材自体でフレームの柔らかさを最大限に表現し、フレーム形状(厚さ、フェイス面積)でパワーも補っているのだと推定します。

 

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クラッシュ100を試打した感想はどうか

 
正直「守備面」はプロスタッフ97とかと同様にあまり期待はできなくて、あくまである程度自分でボールをコントロールできる人が「その長所をより際立たせる」ために使うとより試合での勝利という結果につながるのでは、、と思っていたのですが、違いました。
 
実際に打ってみたところ、めっちゃ飛びますので、防御でも力強い球でカウンターできます。
 
打感的には完全な新感覚で、H19などのプロストックやPROSTAFFやBLADEにも似ていませんでした。
 
そして、完全に「クラッシュという打感」でして、これまでのラケットにない「独自の感触」を持っているラケットでした。
 
僕の意見だけだと客観性がないかもなので、他の方のレビューも見ていきましょう。
 

「テニスのある日々」pooonさん

ラケットにボールが乗ってる、ホールド感は最強ですね。ラケットでボールを軽く上に打っても違いがわかります。
私が1番すごく感じたのはサーブですね。スピンサーブでのボールの乗り、回転のかかり具合、手に来るフィーリングは今までに無いものでした。中上級者で毎回しっかり回転かけて打つ方なら、サーブ力がラケットで間違いなく上がるなって感じました。もう引っかかりが違いますし、ダブルフォルトも減るとおもいます。
ストロークも芯を捉えた時は、私が普段使ってるプロスタッフ97より勢いがあり、弾きが違います!あと緩くアングルショットを打つ時ラケットに乗ってほしいのですか、もうすっごい乗ります!コントロールしやすい。
木のラケットのようにしなるのがよくわかりますし、それなのに安定しているのもわかりました。
 
デメリットのところは、ツイッターの感想でも度々目にしてましたが、守備面は難しかったです。。。苦しい体勢からはしなりが邪魔しますね。しならない方が面が安定してるから返しやすいです。いや、安定もあるってことなんですけど、守りの場面ではうまくいかなかったです。ここは慣れが必要なのかもしれませんが…
振られた時や深いボールはやりにくさがありました。
 
 
自分で回転を作れる人なら、より良い感触を感じつつ、サーブの回転量も向上させられる、という点に強く同意です。
 
基本的にパワー面で考えるとプロスタッフやブレードなんて相手にならないほどパワーがありますね。
 
(ピュアドライブとかと同じくらい飛びだけでいうと飛びます。それ以上かも。)
 
それでいて、打感は、まぁトラディショナルな打感が好きならばプロスタッフでしょうけど、ボールを「掴んでいる感」でいうとCLASHに軍杯が上がりそうです。ゆっくり目に振っても「しなり」を感じます。
 
ふつう、スイングスピードが遅くてあまりスピンがかけられない、とかだとあんまり使うメリットないかもなのですが、クラッシュは違いました。
 
「ウィルソンのラケットは打感が良いが、バボラのピュアアエロとかの方が正直試合で勝つには良いから使えない」というこれまでの常識をぶち壊してくれるパワーと感触の両立です。
 

「大鬼のハードヒット日記」大鬼さん

元々薄いラケット使ってて
もっとパワー欲しいとかいう人向けではないかと思います
普段から厚めなラケット使ってる人からしたら柔らかすぎて不安になるぐらいしなります
ウルトラツアー97からの移行だったので気に入っていますが
普段からウルトラ100とかバーンを使ってたら気に入っているか分かりません
引用元:大鬼のハードヒット日記
 
普段ULTRA TOUR97という飛ばないラケットを使っている方なのですが、CLASHの飛びに驚いています。
 
他の方の試打情報を見ていて思うのは、やっぱりもともと「飛ばないラケット」を使っている場合、CLASHの「楽さ」にびっくりします。

 

クラッシュはどんな人におすすめ?

 
なので、CLASHをおすすめする層は今までピュアドライブなどの「勝手に飛ばしてくれる」ラケットを使っていた人ではなく、今までプロスタッフとかBLADEなど、「硬派なラケットを使ってきた人がパワーと打感はそのままに(そのままではないですが)、もう少しだけ楽をしてボールを飛ばしたい」という願いを持っているあなたですね。テニスが簡単になります。
 
それまで、フィーリング重視のラケットを使ってきていて、ピュアドライブやBURNなどの「飛ぶ」ラケットに対して「不利」と感じてきたあなたはこの機会にラケットチェンジすると、テニスが一気に強くなるきっかけになるかもしれません。
 

 

 
(追記)↑v2.0 ナイトセッションモデル。2022年に僕はこちらに切り替えました。 v1.0よりも先端で打った時の打感が優れているのと、RA値が50→60とほどよく固くなり、反発性(=パワー)がアップしました。
 
ちなみに、僕が長年お世話になっている方がクラッシュにラケットを変更したのですが、ボールが簡単に飛んでいて、軽々打っていて、フェデラーみたいに面を合わせるだけで強い球を打ってくる。圧倒的にラケットを変えただけで強化されていました。反則ですか。
 
正直、久々に「これはマジで買いだな」と思う市販ラケットでした。※ステマなし。
 

 追記:CLASH100とBLADE98Sの比較記事を書きました

 
ウィルソン・クラッシュはブレードよりもイージーな件【パワー圧勝】試打レビュー
こんにちは、KOYA@ソリンドです。 下記のようなツイートをしました。 wilsonのラケットで長年確固たる地位を築いてきたBLADE98ですが、CLASHが登場してからは特に一般プレーヤー層においてその地位を奪われたのなと確信していま...(続きを読む)
 
当記事の後改めてCLASHを打ったので、ウィルソンの看板ラケットの一つでもある「BLADEシリーズ」との比較をしつつ、クラッシュの魅力に迫っています。
 
「フェデラーのアップ時みたいに軽々強烈なボールを打ちたい」あなたは必見かなと。