フェデラーのような滑って伸びるスライスを打ちたい人「フェデラーみたいなバックハンドスライスを打ちたいけど、周りに『切るな』、『カットするな』と言われる。でも、フェデラー本人かなり切ってるように見えるし、どういうこと?」
こんな疑問に答えます。
本記事の閲覧で得られる情報
▪︎フェデラーのスライスが「切っているか」否かが分かる
▪︎スライスは「切るな」と言われるけど、フェデラーが切っている理由
▪︎フェデラー特有のスライスのコツ
上記について深掘りしていきます。
結論からいってしまうと、フェデラーの真似したなら、「切ってOKですが、当たりの厚さだけは確保しましょう」という感じ。
そして、ちょっとグリップをフォアハンド側に厚くするとフェデラーのスライスに近づきますよというお話をします。
※2分くらいでサクッとどうぞ。
フェデラーのスライスのフォームは「特殊」です
「フェデラーのスライスは切ってる」と思われるように、確かにダウンスイングの強いフォームです。
しかし、切ることで回転量を増やしつつも、ボールが潰れるほどの厚い当たりをしています。
フェデラーの真似をするにしても、最重要は「当たりの厚さ」です
厳密には、「切ってる」ようでかなり「押し」ています。ちょうどインパクトの瞬間からそのままラケットでボール2個分前に押し込むくらいのイメージ。
そして、基本は「後ろから前」のスライスと同じで、最重要は「垂直なインパクト」です。
Roger Federer backhand slice at the 2013 Australian Open…. pic.twitter.com/ObXTjhnoXQ
— Roger Federer Book (@FedererBook) December 14, 2016
こちらのツイートの画像を見ていただけると分かると思うのですが、完全にインパクトが地面に対して「垂直」ですよね。
記事後半で「どうやったらよりフェデラーのスライスに近くか」について深掘りするのですが、その前に、フェデラーのダウンスイングを真似すると、どうしてもインパクト時に面が寝てしまう人が続出してしまうので、そこのところ要注意。
どんなグリップで、どんなフォームだとしても、スライスの「バウンド後の伸び」を決めるのは当たりの厚さなので、「インパクトの際ラケットは寝かさない」これだけは覚えてこの記事を閉じてください。
スライスの「意義づけ」を考えてみましょう
実は僕が思うに今までのプロ選手で一番スライスが上手な選手って女子でもう引退してしまったグラフさんだと思うのですが、彼女のスライスはかなり攻撃的でした。
- グラフの場合、スライスは「攻めの起点」であり、「攻めのための攻撃的なスライス」というイメージ。
- 一方、フェデラーのスライスは、「変化の起点」であり、「チェンジオブペース」のためのスライスというイメージ。
グラフほどの攻撃力はないけれど、相手の攻撃をしっかり無効化し、0ベースに戻せる。
もちろん、フェデラー自体いろんな種類、回転量のスライスを打つので、一概に一般化できないとは思うのですが、用途の傾向としてはそう言えるでしょう。
という感じで、グラフさんのに比べると、かなり回転量の多い遅めのスライスを打っていることが多いです。なので、わりと切って回転量を作っているんですよね。
フェデラー特有のスライスのコツ
下記の点を意識すると、わりとフェデラーのスライスに近づきます。
- その①:かなりボールを引きつけていて、打点は後ろ目。
:気持ちは「膝の前」で打つくらいの気持ち
- その②:右肘は曲げて、テイクバックは頭の後ろ
:すなわち、「高くセットしよう」という意味です
- その③:顔を打点に残す
:すると、体が前に開いてしまうことを抑制できます
- その④:グリップをフォア側に厚く握る
:フェデラーのフォームと打点を考えるに、グリップは完全なコンチネンタルよりも若干フォア側に厚いかもです。
- その⑤:「速く」振らない
:しっかり厚く当てることができている限り、ゆっくり、音を鳴らさないように意識してスライスを打ってもしっかりボールは相手コートで伸びてくれます。
順に説明していきます。
その①:かなりボールを引きつけていて、打点は後ろ目
わりとフェデラーはボールを引きつけてスライスを打っています。
この動画をチラ見すると分かると思うのですが、「膝の真ん前」くらいのイメージ。特に、後ろから見た場面でよく引きつけているのが分かるかと思います。
その②:テイクバックは頭の後ろ
昔の人は右肘を伸ばして、大きく「後ろ→前」とスイングし、本屋とかで売っている古そうなテニスの教科書とかその打ち方が乗っているのですが、フェデラーの打ち方はそうではないです。
右肘は曲げ、テイクバックの位置を高めることでダウンスイングの上下を大きくし、回転量を保っています。
あとは、その中でいかに「ボールを潰すか」を意識するとよいかと思います。スライスで、「ボールを潰す」んですよ。
その③:顔を打点に残す
これは、体が前に開いてしまうことを抑制するため。
身体が右利きでいう右に流れてしまうと、ボールをしっかりコントロールできなくなります。
僕の場合、「軽く胸を張る」ようにイメージしています。
胸を張ると意識することで、左手で右側に身体が開いていってしまうことを阻止できます。
その④:グリップをフォア側に厚く握る
グリップによって、フォームは変わりまして、僕が思うにフェデラーの「打点が少し後ろ目」、「肘が自然に曲がる」っていうのはグリップが完全なコンチネンタルではなく少し厚い証拠なのではと思っています。
※(注意):フェデラーのスライスのグリップについては、正確にはわかりません。日本人だけでなく、英語のYouTubeをひたすら分析しても「コンチネンタル」といっている人が多いですが、中には僕のようにグリップ違うのでは?と考えている人もいます。というかぶっちゃけフェデラー自身、練習と試合、年、コートによってフォアハンドもそうですが、グリップが違う気がします。なので、「フェデラーのグリップは○○」と決めつけるのは早計です。
僕も高校時代にこれに気づいてグリップを変えたのですが、わりとフォームが「フェデラー意識してるでしょ?」と周りに言われる感じで近づいたみたいです。
なので、その①〜③を意識するのもいいですが、グリップが違うとそもそも「自然体なフォーム」が変わります。
べつに「後ろから前」の一般的なスライスでもいいのですが、「フェデラー的なスライス」にしたいのならばグリップも変えると打点もひきつけやすいです。
↑こちらが一般的なコンチネンタル。
このグリップでスライスを打とうとすると、自然と「テイクバックが顔より下で、後ろから前」のフォームになるかと思います。いわゆる一般的なスライス。
↑こちらがフォア側に少し厚いグリップ。 ※指が立ってしまっていることには特に意味はないですm(_ _)m ちょっとゆるく握りすぎただけ。
どちらもぱっと見は「コンチネンタル」のように見えますよね。
あなたも今ラケットを持ってきて隣で振り比べてみると分かると思うのですが、2枚目の画像のグリップにするとテイクバックの際ラケットのフレームが地面に対して垂直に立ち、上から下の軌道」なフォームになります。
A backhand slice from Roger Federer http://t.co/uyVV7T7BMb pic.twitter.com/Qt4BYOcNw2
— Edmundo Ortiz Franco (@Edmundo_Ortiz_F) July 1, 2014
加えて、このツイートの画像を見ると分かるのですが、テイクバックの時点でラケットのフレームが「わりと垂直」ですよね。
グリップの違いで、このこのテイクバック時のフレーム角度は変わってきますよ。確認してみてください。
一般的なコンチネンタルグリップでスライスをすると、フォロースルー時にラケットの面は「空を向きような上向き」になりますが、フェデラーのスライスにおけるフォロースルー時のフェイスの向きはむしろ「ネットと並行」です。
その⑤:スライスは「速く」振らない
結構、このフェデラータイプのダウンスイングを強調したスイングをすると、ボールを切ることばかりに意識がいってボールを制御できなくなる人がいます。 ※かつての僕です。
どんどんスイングスピードが速くなっていくのですが、こちらはNGです。
むしろ、フェデラーのスライスって、「静か」ですよね。
特段早いスイングをするわけでもなく、しっかり当たりの厚さを重視しています。
というわけで今回はこれくらいにしておこうと思います。
最後に、フェデラー流のスライスのコツを最後にまとめておくと、下記のとおり。
▪︎そもそもグリップが違うからフォームも違う説 ※諸説あり。ただし、どちらもコンチネンタルには見える
▪︎カットしてもいいけど、インパクトは垂直で、そのままボールを2つ分前に押し出すくらい厚く当てることで「伸び」を確保する
▪︎速く振るのではなく、ゆったりと「合わせる」、大きな音はいらない
▪︎顔と左手で身体の開きを抑制する
忘れてもまた思い出せるように、ブックマークしておくといいかなと思います。