セイバーについて気になっている人「フェデラーの必殺技でセイバーっていうリターンがあるらしいんだけど、どんなショットで、どんなメリットがあってやってるんだろう。僕にもできるのかな」
そんな疑問に答えます。
記事の閲覧で得られる情報
▪︎セイバーとはどんなショットか
▪︎セイバーが誕生した経緯
▪︎セイバーのメリットとリスク
▪︎セイバーに挑戦する際のコツ
上記について深掘りしていきます。
なお、先に結論をいってしまうと、セイバーとは奇襲リターンで、相手のセカンドサービスに合わせてハーフボレーのようにネットに詰める戦術です。
そして、もう一歩踏み込んでいってしまうと、ぶっちゃけ我々が真似するには得られる効果に対して失点するリスクが大きすぎるので、真似しなくて良いかと。
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セイバーとはどんなショットか【SABR】
「セイバー」とは、英語で「SABR」でして、語源は下記のとおり。
SABR・・・Sneak Attack by Roger
意味:「ロジャーによるこっそりとした攻撃」
セーバーが誕生した当時(2015年)は「Sneaky Attack by Roger」や「half volley return」、「kamikazeリターン」などと呼ばれていましたが、現在は、「Sneak Attack by Roger」でわりと統一されていますね。 ※別にテストに出ませんm(_ _)m
僕は、「ロジャーによるこっそりとした攻撃」と訳しましたが2015年当時は、「フェデラーによるささやかな攻撃」と訳していた方もいらっしゃいます。それも面白いです。
そして、内容としては、「相手のセカンドサーブの際、トスアップした瞬間に一気に前進し、ハーフボレーの要領でリターン、そのまま一気にネットをとる」というもの。
要するに、「リターンダッシュ」の一種でして、かなり極端なリターンダッシュですね。守備を完全に捨てています。
セイバー(SABR)の誕生経緯
セイバーが誕生したのは、2015年のシンシナティで、ちょうどペール(※1)と練習していた時です。
そのときは、時差ボケしてて、早く練習を終えようとかでリターンでふざけたのをフェデラー陣営の一人であるリュティさん(※2)が「それ採用」としたのが試合で実装されたきっかけ。
名付け親としては奥さんであるミルカさんだったような気もするのですが、、、。スイマセン、ちょっと忘れました<(_ _)>
シンシナティのほか全米でもジョコビッチ相手にフェデラーはSABRを使っています。
本人的にはSABRはかなり気に入っていて、「The SABR it’s fun for me, I like to look for new ways to win the points. (セイバーは面白いね。新しいポイントの取り方を開拓するのは面白いよ。)」なんて2018年のウィンブルドンの際答えています。
(※1)
💥BENOIT PAIRE : LE RETOUR💥
Le lauréat de notre édition 2017 sera de retour au @LeKindarena en septembre prochain. Le 44ème joueur mondial est en forme. A l’approche de @rolandgarros, il vient de gagner l’ATP 250 de Marrakech 🇲🇦 !!
➡ Open de Rouen du 13 au 15 septembre 2019 ! pic.twitter.com/ZYCT9DiBgm— Open de Rouen (@OpenRouen) May 2, 2019
ペールさんは髪を派手な色にしたりヒゲを大きく伸ばしたり、その他奇行も多い芸人です。
(※2)セヴェリン・リュティ。フェデラーの長年のサポーター(コーチともいう)で、フェデラーの試合では見るかの隣くらいに毎回いる少しおでこ広めの方です。スイスデ杯のキャプテンでワウリンカの試合もサポートしてます。たぶん、彼なしでフェデラーはここまでやって来られなかったでしょう。
セイバー(SABR)のメリット、デメリット
上で埋め込みしたYouTubeなんかを見ていただくと、フェデラーのSABRがあまりにもすごすぎて、「うわぁ、反則かよ。セイバー強すぎ」となると思うのですが、技術的なハードルはかなり高いです。
セイバーのメリットとデメリットについて深掘りします。
<セイバーの強み>
▪︎相手の時間をこの上なく奪える
▪︎相手のペースを破壊できる
▪︎精神的動揺を与えられる
(▪︎低い打点でリターンできる)
<セイバーのリスク>
▪︎「読み」をミスれば一発で失点、チャンスを無駄にする
▪︎ハーフボレーができないと厳しい
基本的に、2ndのスピンサーブに向けてやることになると思いますので、相手のトスアップを見て、ネットをとるか判断することになるかと思うのですが、すると必然的にバックハンドで打つことになりますよね。
現実的には、あなたが相当バックハンドのハーフボレー得意じゃないと、難しいかと思います。
外したら、一瞬でチャンスもなくなってしまうのが厳しいところ。
※片手で、かつ薄いグリップだからこそ、フェデラーは器用にできたりします
読み間違えたらこうなります。↓
Oops:)(🎥@TennisTV ) pic.twitter.com/fwBTEZDNvH
— doublefault28 (@doublefault28) June 16, 2018
セイバーは「ロブ」に弱い
SABR実装時(2015年シンシナティ)では、「奇襲効果」が大きく、ジョコビッチでさえ「何が起こったんだかわからない」というような様子で3球目をミスしていました。
しかし、その後マッケンローが「なぜ誰もロブを打たないんだ」と述べ、SABRを始めて2回目の対戦(USオープン2015)ではしっかりバックハンドのロブでセイバー攻略がなされました。
こちらがそのシーン。
不意打ちで、相手の頭を混乱させられ、試合の流れを変えられる一方、技術的な難しさは大きいです。
あと、身長高めのビッグサーバーにはさすがに厳しいですね。フェデラー本人もイズナーとか相手には使いません。
セイバーに挑戦する際のコツ
セイバー挑戦しなくてOKですよ。というのが僕の意見だけれど、ここまで読むくらいであるあなたはたぶん挑戦したいですよね。
というわけで、最後にセイバーのコツをまとめておきます。
▪︎「読み」は命
:僕的におすすめは、「バックハンド側にスピンサーブ狙ってるな」と分かる時に使うのがおすすめです。
▪︎相手がトスアップした後に前進
:相手の視線が移った後を狙います
▪︎しつこくやらない
:失敗しても、再挑戦しなくてOKです
▪︎スイングを最大限にコンパクトに
:振らなくてOKです
▪︎セイバーした後はネットにつめきる
:後ろガラ開けで構わないので、確実に帰ってきた3球目をネット前で仕留める覚悟で。
「読み」が一番大切で、速度の落ちる、セカンドサーブのスピンに対して使うのがいいですかね。
せめて、0-40くらいのポイント的に余裕のある時に使いましょう。
というわけで今回は以上です。
遊び感覚で試してみてください。