こんにちは、KOYAです。
テニスはグリップを変えるだけでフォームも変わると確信しています。
先日に、下記のようなツイートをしました。
テニスラケットの握り方、グリップの握りの厚さの違いがテニスに及ぼす影響は意外と大きくて、フォームすら変えてしまうほどです。
スクールでたくさんの中年プレーヤーをみてきて思うことは、「グリップが薄すぎないか」ということ。
現代だと体重移動より、軸の回転が主流だけど、薄いと合いません
テニスラケットの握り方、グリップの握りの厚さの違いがテニスに及ぼす影響は意外と大きくて、フォームすら変えてしまうほどです。 スクールでたくさんの中年プレーヤーをみてきて思うことは、「グリップが薄すぎないか」ということ。 現代だと体重移動より、軸の回転が主流だけど、薄いと合いません
僕は40代の方でももっとグリップを厚くした方がいいショットを打てると思っています。
しかし、テニススクールでそういっても、グリップの握りの厚い/薄いの違いや名称を皆さん知らなかったりするんですよね。
この記事では、前提となるグリップの名称を確認しつつ、ちょっとした知識もお伝えします。
フォアハンドとバックハンドで、厚い/薄いの方向は逆です
シンプルに、打つ面が逆だからです。
そして、フォアハンドストロークでも、バックハンドストロークでも、コンチネンタルに近づくほどグリップが「薄い」、ウエスタンに近づくほどグリップが「厚い」とされます。
▪︎フォアハンドとバックハンドで打つ面は逆
▪︎フォアハンドのウエスタンと、バックハンドのウエスタンは、180度反対
▪︎フォアハンドのコンチネンタル=バックハンドのコンチネンタル
▪︎コンチネンタルに近づくほど「薄い」
▪︎コンチネンタルからフォアでもバックでも、ウエスタンに近づくほど「厚い」
上記のとおり。
難しかったら読み飛ばして、ここから出てくる画像を参照すればイメージできます。
テニスラケットの握り方【グリップの名称と用途を解説】
今回の記事の主役である、各グリップの名称とそれぞれの用途を確認します。
なお、種類としては下記のようなものがあります。
▪︎コンチネンタルグリップ
▪︎フォアハンド/バックハンドのイースタングリップ
▪︎フォアハンド/バックハンドのセミウエスタングリップ
▪︎フォアハンド/バックハンドのウエスタングリップ
▪︎フォアハンドのウエスタンよりも厚いグリップ
使いどころを合わせて、順に解説していきます。
コンチネンタルグリップ
主にサービスやボレーに使用するグリップです。
フォアハンドやバックハンドといったストロークに使用する人はさすがにいません。手首折れます。
一般的に、コンチネンタルグリップは「包丁持ち」と言われます。人差し指は立てないにしろ、おおむね同じですね。
「包丁持ち」は結構バックハンド側だという真実
包丁って、結構バックハンド側というか、親指と人差し指の間のV字が若干真ん中よりも左側で、コンチネンタルグリップもそんな感じです。
▼包丁のハンドルの握り方 ※V字に注目
かつての僕は勘違いしていて、親指と人差し指の間のVが包丁のハンドルの一番細い上の面にぴったりくるのがコンチネンタルだと思っていました。実際は違いましたね。
サーブでは、これよりもフォアハンド側に厚いグリップで打つ方がいらっしゃいますが、コンチネンタルなど、なるべく薄い(バックハンド側)グリップの方がプロネーションがかかります。
とはいえ、筋力に自信のない女性などは、ボレーやスマッシュに関してはフォアハンドのイースタンでも打つことができます。
フォアハンド/バックハンドのイースタングリップ
▼フォアハンドのイースタングリップ
▼バックハンドのイースタングリップ
ウッドラケット時代のフォアハンドやバックハンドの主流の握りですね。
実は、現代でもデルポトロなどの一部の高身長選手のフォアハンドがイースタングリップだったりします。
とはいえ、安定したスピンが体の構造上打ちづらいので、われわれ日本人は真似しない方が得策です。
冒頭のツイートのとおり、フォアハンドやバックハンドのストロークでイースタンを使うのはナンセンスで、2019年現代のテニスでは、1日でも早くやめた方が自分のためです。
現代人のイースタングリップの使いどころ3つ
下記のとおり。
▪︎非力な女性がボレーやスマッシュで使う
▪︎両手バックハンドの利き手側のグリップ
▪︎強力な回転のかかったサービスを打つために
コンチネンタルの項で少し触れましたが、ボレーやスマッシュにおいて、「あんま自分はパワー出せないな」と感じているならば一つグリップを厚くし、フォアハンドイースタンにするには選択肢です。
>>参考:【テニス】スマッシュのコツのまとめ【サーブとは全く別のショット】
とはいえ、男性や、若い女性なんかはコンチネンタルで打ってほしいとは思っています。
コンチネンタルの方がボレー時にとっさの反応がしやすいですし、スマッシュも手首のプロネーションが効きます。
また、両手バックハンドのグリップは両手で様々な種類がありますが、利き手側がイースタングリップで打つグリップはわりと両手バックハンドにおいては主流ですよね。
フォアハンド/バックハンドストロークで「イースタングリップは使わないべき」と僕は口を酸っぱくしていっていますが、両手バックハンドに関しては例外。
フォアハンドと片手打ちバックハンドの話だと思ってくださいね。
あとは、ビッグサーバーとして有名なラオニッチがいますが、実は彼のサーブのグリップはコンチネンタルではありません。
よーく見るとわかるのですが、ラオニッチなどの一部のビッグサーバーのサービスグリップは「バックハンドのイースタン」です。
これは、「より強い回転」をサービスに与えるため。
Milos Raonic’s service game in Stuttgart has been 🔥🔥🔥
Raonic powered his way past another opponent on Friday, defeating Tomas Berdych in the #MercedesCup quarterfinals.https://t.co/LV1Q9LzQrc pic.twitter.com/gVbVnoehfM
— Sporting News Canada (@sportingnewsca) June 15, 2018
コートで試してみるとわかるのですが、よりバックハンド側に厚いグリップ(フォアハンド側の薄いグリップ)にすると、グリップを変えただけなのに強いスピンがかかるようになります。
振り抜きはより「打点より上へ」と変化するのですが、グリップでフォームも変わるので、正常な変化です。
フォアハンド/バックハンドのセミウエスタングリップ
▼フォアハンドのセミウエスタングリップ
▼バックハンドのセミウエスタングリップ
ジュニアやジュニア上がりの方だと、ストローク時のグリップはウエスタンが主流だったりしますが、多くの方はセミウエスタンがストロークのメイングリップだと思います。
ちなみに、僕もセミウエスタンをフォアハンドグリップとしています。
セミウエスタンもウエスタンも、スピンがかけやすいので圧倒的にストロークが安定するようになります。
【注意】サービスでセミウエスタングリップはNG
なお、いくらサービスでグリップを薄く(バックハンド側に厚く)した方がスピンが変わるとはいえ、バックハンドセミウエスタンまで薄くしてしまうのはおすすめできません。
コンチネンタル→バックハンドイースタンと薄くなるほど、プロネーションがかけやすくなるのですが、当たりは薄くなります。
結果、セミウエスタンでは当たりが薄くなりすぎて、ボールを潰すのが物理的に難しく、結果推進力、威力が出ません。
※握りを厚くする=当たりは薄くなる
フォアハンド/バックハンドのウエスタングリップ
▼フォアハンドのウエスタングリップ
▼バックハンドのウエスタングリップ
いわゆる厚いグリップ。
フォアハンドだと、「ストレートアーム」ではなく、肘が曲がる「ダブルベント」という打ち方になり、高い打点の処理がしやすくなるメリットがあります。
※厚いグリップの方が高い打点の処理がしやすくなります。
個人的にはセミウエスタンくらいのグリップの厚さがあれば問題なしです。
とはいえ、よりトップスピンがかけやすいのはウエスタングリップなので、自分がオールラウンドなプレーで得点するのか、ベースラインでしっかり粘っていくことで点数を稼ぐのか考えた上でグリップを決定してみてください。
ウエスタンの方が、ベースラインで粘るプレー向きです。
片手バックハンドでウエスタン、個人的におすすめです
片手バックハンドは多くの方がご存知なように「バックハンドの高い打点」に弱いです。
ここを、厚いグリップである「ウエスタングリップ」にしてしまうことで、高い打点の処理の難易度を下げることが可能です。
ちなみに、僕もバックハンドは片手で、ウエスタングリップです。フェデラーはセミウエスタンで片手バックを打っていますが、ワウリンカもガスケもティームも片手バックがウエスタングリップです。
>>参考記事:片手バックハンドの高い打点は簡単に克服可能【グリップを厚く+α】
フォアハンドのウエスタンよりも厚いグリップ
これはかなり少数派なのですが、一定いますよね。有名どころでいうと、錦織圭のフォアハンドとか。
正式名称じゃないかもですが、「エクストリームウエスタングリップ」と呼ぶ人は存在します。
そして、メリットとしては、ウエスタン以上に強力なスピンをかけられることがあります。フラットは打ちづらいですが、安定はします。
錦織さんも近年手首ケガしました。
さらに低い打点の処理も構造上難しいです。
というわけで、個人的にはあんまおすすめしません。セミウエスタンかウエスタンくらいがちょうど良いかなと思います。
というわけで今回は以上になります。
必要に応じて、グリップも適当な厚さに変更した方がいいこともあります。その際は2ヶ月くらい慣れられず違和感を感じつつのプレーになるでしょう。フォームも変わります。
しかし、適度な握りの厚さがないとどうしてもスピン不足で現代テニスは不安定になります。
ぜひ、この記事を参考にしつつ、試行錯誤してみてください。