ボレーに苦手意識がある人「ストロークは少しずつできるようになってきたんだけど、ボレーがすぐミスになってしまう。コツもわからないし、バウンドさせてストロークするしかないのかな。」
本記事はそんな疑問に答えます。
ちなみに、過去の僕もそうでした。
フェデラーに憧れて、フォアハンドで左右に打ち分けチャンスを作ってアプローチする。しかし、圧倒的にボレーが下手なので、ネットプレーになるとすぐにミスしてしまう。
過去の経験談を交えつつ、鈴木貴男さんを参考にしつつ、どのようにして改善していったかを示します。
本記事の内容
▪︎ ボレーの苦手意識をなくすために意識すべきポイント
▪︎みんなから言われる「振ってる」の改善方法
▪︎「どうしてもダメ」なときはどうしたらいいか
▪︎ボレーが変わるかの最終的な決め手は行動量。圧倒的に失敗しよう
要点としては、上記の通りです。
何事においてもそうですが、挑戦してみた上で失敗することで経験を得て、その失敗を回避しようと試みる中で上達があります。なので、ボレーを伸ばしたいと思ったら今日からの1ヶ月の中で100回くらいボレー失敗してみてください。
ボレーの苦手意識をなくすために意識すべきポイント
ボレーの改善のためのコツを以下に示します。
▪︎面をいつもより「1秒」早く準備する
→「ラケットを振っちゃう」を改善できます
▪︎パワーを出したい時こそ、「足→手」の順番を守る
→コントロールが効きます
▪︎時間がないときは、「打ちたい方向」にラケットを出す
→上から下に切ると浮いて伸びないボレーになるのでNGです
▪︎「横向き」を保つ
→バックアウトが激減します
▪︎脇に「テニスボール1個分」を挟んでいる意識を持つ
→自分の視界の中、「前」でボールをさばけるようになります
上記のことを頭にインプットし、日々の練習の中で実践することでボレーは見違えてくるかと。
面をいつもより「1秒」早く準備する
ダブルスなんかだと特に、「急いで準備して、バタバタして、結局ミスする」なんてことが起こりやすいです。
そんな時は、「面をいつもより1秒早く準備する」という意識を持ちましょう。
実際には「1秒」も早くできないと思うのですが、意識レベルで腕と足を早くセットして、あとは飛んで来るボールを待って合わせるだけ、という状態にしておくだけでミスが激減します。
いわゆる「ラケット振ってる」を改善できます
準備が早くセットできれば、あとは飛んでくるボールに対して面をそちらに押し出すだけでボールは飛んで行ってくれるので、無理して腕を振り回す必要がなくなります。
「腕を振る」という考え方をやめて、「セットして、合わせる」という意識でボールと向き合いましょう。
「こちらがボールを待つ」のですから、どっしり構えて軸をブラさず、ラケットが顔に近づかないゆとりを保てば必ずいいショットが打てるはずです。
パワーを出したい時こそ、「足→手」の順番を守る
手を足を同タイミングで「ドーン」とやる人が多くて、僕もかつてそんな打ち方をしてしまっていたのですが、これが最悪です。
上級者は打ち込む時こそ、絶対に「足→手」の順番を守ります。
コントロールが効かず暴走しますし、力んでラケットも振ってしまいやすいので、早急に「手と足が同じタイミング」から卒業しましょう。
【例外】アプローチボレーで奥行きを出したい時
ただし、例外もあります。
例として、バックボレーなら、「左足を決める」→「ボールを後ろから前に合わせる」→「右足が前にくる」の順番の方がスムーズにネットに詰めれます。
あくまで、「足→腕」の鉄則はネットに詰めれている状態で、移動中ではない時に適応されるものですね。
時間がないときは、「打ちたい方向」にラケットを出す
ここまでの説明を読むと、「ボレーは毎回毎回足をドーンと踏み込んで打たないといけない」と思っちゃうかもなのですが、実際のネットプレーでは時間がないことも多く、むしろ相手を崩して踏み込んで打てる場面の方が少ないくらいかもしれません。
なので、重要なことを伝えておくと、「踏み込んで打つ<体のバランスを保つ」ことです。
▪︎相手を完全に崩して浮いた球が来た
→時間があるので、しっかり「足→手」の順番で足を踏み込んで打つ
▪︎ネットをとったが相手が準備できていて、むしろ守備的な場面になってしまった
→時間がないので、「体のバランスを保つ」ことを意識して伸びるボレーをなるべく打つ
2つの場面があることを想定しておくとよいでしょう。
また、受け手となる場面でも、時間を作ろうと思って上から下にちょん切るスライスのようなボレーになってしまうと、ただのチャンスボールとなってしまいます。
浮かず奥行きができように「後ろ→前に押し出す」イメージであることを忘れないようにしてください。
▪︎○:「後ろ→前」に押し出す
→伸びのあるボレーが打てる
▪︎×:「上から下」にちょん切る
→浮いてしまうので、相手にとって絶好のチャンスボール
見るべき動画があります
「ボレーは自分から迎えに行く」のではなく、「待ってていい」ことを教えてくれる鈴木貴男さんの神動画です。ボレーのイメージが変わるので、チラ見するべき。
僕も学生時代の部活でボレーの得意な先輩に、「ボレーは絶対に落とすな、ハーフボレーはするな」と教えられていましたが、目線がブレてむしろミスが増えますよね。待っててOKです。
「横向き」を保つ
これも大切なことです。
かつての僕は、相手を崩してやっと作った圧倒的チャンスをおへそが正面を向いたボレーでデーンとバックアウトさせてしまっていました。
おへそが前を向いてしまうとボールを制御できないんですよね。
「後ろ足→前足」とセットするときに同時に半身も腰のターンで作っておきましょう。
ボールが正面に来てしまった場合
ただし、ボールが正面に来てしまった場合、もはや腰のターンとか言っていられないですよね。
こういう時は、「バックハンド」で面を作っておへそが正面を向いたまま緊急処理しましょう。
フォアハンドだと、バックハンド以上に体を閉じないと打つことができず、「体を逃がしながら打つ」みたいな高等芸をこなさないと処理できないので、「正面=バック」と覚えておきましょう。
脇に「テニスボール1個分」を挟んでいる意識を持つ
これは市民大会に参加した時に感じたことなのですが、特に中高年の方はボレーをする際「顔とラケットが近いな」と感じることが多かったです。
顔とラケットが近いと、「相手の動き」が見れなくなってしまいますし、自分の体幹もブレブレになってしまいます。
あくまで、「脇にボール1個が挟めるくらい」ゆとりを持って、「自分の視界の中にラケットが収まる範囲で」ボールを待って、体で受け止めてあげてください。
最も重要なことは「体の軸を保つ」ことなので、常に自分の頭のてっぺんとお尻の一直線を維持するようにしましょう。フェデラーも錦織も常に一直線ですよ。
「どうしてもダメ」なときはどうしたらいいか
ここまで色々なテクニックを紹介してきましたが、中には「それでもどうしてもダメだった」という方もいらっしゃるでしょう。
心配ありません。ボレーの難易度を下げる秘策があります。
それは、「グリップを短く持つ」それだけです。
フィーリングを取り戻してきたら、再びグリップを長く持てばOKです。
上達の決め手は「挑戦回数」です【100回失敗せよ】
過去の僕がボレーに苦手意識が強かった1番の要因は「ボレーの試行回数が少ないこと」にありました。
簡単な話で、部活やテニススクールでみんなストロークはすごくたくさん練習するのにボレーは練習しないじゃないですか。それが原因です。
とはいえ、ストローカーの方とかはベースラインからの打ち合いが主で確かにボレー練習ばかりに時間をかけるのは非効率的かもしれません。
ですが、逆に「僕はボレーでポイントを終わらせるんだ」という自意識があるあなたは絶対にどこかでボレー練習しなくてはいけません。
部活やスクールでボレー練習が少ないから、自主練の特になんどもネットをとって失敗することが必要です。
一見恥をかくかもしれませんが、、、とはいえ、「こう打ったら失敗するな」であったり、本記事の内容を試してみて、「こう打ったら成功するな」など新たなデータがあなたの中に蓄積されます。
最終的には、手持ちのこのデータの蓄積量の差がそのままテニスの試合本番の重要な場面でチャンスボールをボレーで決めきることができるかどうかにつながるのです。
「スマッシュが苦手」という方も多いですが、もうあなたはその原因がわかりますよね。
せっかく本記事でボレーのコツを脳内にインプットしたのですから、明日の練習から積極的にネットに出ていきましょう。練習で失敗する分には何も失いませんよ。
繰り返しになりますが、「これからの1ヶ月の間に100回ボレー失敗」してみてください。1ヶ月後かなり違った景色が見えるようになっているかと思います。
内容も適度に再度インプットしないと忘れちゃうと思うので、本記事をブックマークしつつ、ボレーをミスする度に見返して、「また次回もボレーに挑戦するぞ」という気を起こしてください。
行動の先にだけ、感動があります。