フェデラーがラケットを「黒×黒」に戻した理由 【結論は気分です】

ラケット知識、試打

こんにちは。

実際にフェデラーを見たことがある、KOYA@ソリンドです。

 

今回は、『テニス史上最高の選手』として名高いロジャー・フェデラー選手モデルのラケットである、『プロスタッフ(PROSTAFF)RF97 AUTOGRAPH 』に関する記事を書きます。

 

 

というのも、当ブログに対して『フェデラー ラケット 戻した』などと検索してたどり着く方が多く、これは『フェデラーのラケット事情』に関する情報に需要があることを意味しているからです。

 

この記事を書いている2018年11月現在では、2018年モデルとして『黒×白』のカラーが販売されています。

 

ところが、
フェデラー本人はニューヨークで行われた『USオープン2018』から驚くことに再び2016〜17年モデルである『黒×黒(タキシードカラー)』のラケットに戻しています

 

 

 

追記(2019.04.28)

ウィルソン公式側からの最新情報が出たので、ここに記しておきます。

▪︎結論として、2018年USオープンからフェデラーはラケットを黒×黒に戻していますが、真相はちょっとわかりません。

▪︎その上で、メーカーの説明では、「中身は黒×白(2018モデル)と同じフレックスの柔らかい黒×黒(newバージョン)を使っています」とのこと。

▪︎新しい版(2019)が出たけど、スロート内の「スイス国旗マーク」の有無しか2017モデル(旧黒×黒)と見た目は変わらないので、値段的にオススメは「旧黒×黒」です。

※「旧黒×黒(2017)」と「新黒×黒(2019)」はフレックス値が違うけど、たぶん9割の人には、わからないかと思います。

 

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『プロスタッフ RF97』の基本スペック

 

RF97は今紹介した『黒×白』と、『黒×黒』の他に2014年モデルがあり、現状3代分存在します。

 

スペックとしては、2014年に97インチにしてからはずっと

●RF97スペック
・『50/50ジオメトリ』
・『21.5mmフラットビーム』
・『340g』
・トップライト

 

という特徴を持ち続けていて、正直スペックは3つとも全く同じです。

 

なお、『50/50ジオメトリ』とは、ラケットのフレーム形状がラウンド形状とボックス形状の半々の特徴を持つもの。

 

ラウンド形状は飛びが良く、スピンをかけやすい。

ボックス形状は、空気抵抗が大きくパワーがないが、その代わり圧倒的に良い打感を得られる、という特徴があります。

 

『フラットビーム』は、ラケットの分厚さがヘッド側からグリップ側まで均一の太さだよ、ということを意味しています。

 

プロスタッフ RF97 3代分の比較

 

2014年モデルをベースに

●『黒×黒』

・『ベルベットペイントコーティング』が搭載され、ラケットのフレーム自体の肌触りが『しっとり』したもの。硬いラケットでも気持ち打感が柔らかくなります。

・スロート内部にフェデラーの顔イラストあり。

・『タキシード』をイメージ。

 

●『黒×白』

・ベルベットペイントはもちろん搭載。

・『フレームのフレックス値』(簡単にいうと『硬さ』)が柔らかくなったもの。逆クロスフォアの伸びがフェデラー本人いわく伸びるらしい。

(たぶん、我々アマチュアにはわからないと思います。)

・『タキシード』と襟の『Yシャツの白』をデザインは表現。

※(追記2019.04.28)2019年市販で新しく出る「黒×黒」は中身はこちらと同じスペックです。

 

2014モデルと『黒×○』モデルは、『ベルベットペイントコーティング』により『肌触り』が違うので大きく使用感が違います。

 

しかし、『黒×黒』と『黒×白』の違いは打っても正直よりどっちがいいと言えるほどの違いを感じません。

 

『硬め』が好きか、『ほんのすこし柔らかめ』が好きか。

単純にデザインとしてどっちが好みかという視点で選んでいいでしょう。

ここ10年ほど、ラケットのテクノロジーは進化していないと言われています。

 

そして、『フレックス値』の違いがそんなに重要ならばフェデラー本人も『黒×黒』に戻さないでしょう。

 

スポンサー側から見た事情

 

フェデラーはプロストックのラケットを使っていますが、ウィルソン的には営業上最新モデルのコスメを使ってもらうことが儲けにつながるので、わざわざフェデラーであっても『黒×黒』で中身をフレームの柔らかい『黒×白』にするようなことはしません。

 

したがって、今回の『ラケット戻し』は、完全にウィルソンの意向を無視した、いわば『フェデラーのわがまま』です。

 

このように最新モデルが出ても前モデルを使う場合は稀にあります。

 

一つは、ファン・マルティン・デルポトロ選手が2009年に全米で優勝した時の『sixone95』を2回のモデルチェンジを無視して、ラケットが最後の2本になるまで使った事例。

 

もう一つは、ウクライナのアレクサンダー・ドルゴポロフ選手が2014モデルのPROSTAFF97を現在でもまだ使っている事例があります。

 

※よく考えたらフェデラー、デルポトロ、ドルゴポロフ3人ともウィルソンですね。

ウィルソン社は他社よりコスメチェンジしないことに寛容なのかもしれません。

 

もちろん、これらフェデラーを含めた3事例はスポンサーであるウィルソン側からすると売り上げ的においしくありません。

 

スポンサー的には、たとえ中身が何も変わっていなくても2〜3年に1度最新モデルのラケットを発売して、プロがそれを使って試合の視聴者の購買意欲を高めることが需要ですから。

 

結論として、今回のラケット変更は完全にフェデラー選手の『気分的な』ものです。

 

フェデラー本人も以下のように言っています。

 

「以前のものと同じ。また黒にしたかっただけ。いいプレーができていたからね。白と黒も最高だったけど、レーバー・カップの後に切り替えるかもしれない。大きな意味はないけど、全米オープンの夜には黒が似合うと感じただけ。説明できないけど、ただいいと思っただけ」

ロジャー・フェデラー

出典:テニス365 

 

すなわちフェデラー本人も単純にデザインが『黒×黒』の方がカッコいいと思っているのでしょう。

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結論:フェデラー好きなら『黒×黒』を今から買うのもあり

 

いかがだったでしょうか。

 

最近フェデラーのラケット関係のキーワードで当ブログにたどり着く方が多いので、フェデラーがなぜラケットを最新コスメの『黒×白』から前の『黒×黒』に戻したかに関する記事を書いてみました。

 

結論としてまとめると、フェデラー好きなら今から『黒×黒』を買うのもありですね。

 

『黒×白』よりも型落ちしている分安いですし、『プロが使う黒塗りラケット』のような漆黒のブラックに試合中平常心に戻れるスロートの肌触りがあります。

 

そして、フェデラーがラケットを戻した以上『フェデラー最後のラケット』になる可能性も2018年現在考えられるのがこの『黒×黒』です。

 

漆黒のラケットでテニスをしたら周りに『かっこいい』と思われること間違いないですし、フェデラーのラストラケットになりそうな『黒×黒』、あなたも手に入れちゃいましょう。

 

 

 

追記2019.04.28:混乱しちゃうと思うので、違いをまとめておきます
▪︎旧黒×黒(2017モデル)
:フレックス硬め。スイス国旗マークがスロート内にあり。

▪︎白×黒(2018モデル)
:フレックス柔らかめ。

▪︎新黒×黒(2019モデル)
:フレックス柔らかめ。スイス国旗なし。

※フェデラーが実際には本当にフレックスを変えたのか、変えたとしてもどのタイミングで変えたのかは不明。

 

 

ネットだとお店で買うよりも10,000円安く買えます。

※中身は全く一緒ですが、これは仲介・販売店舗のマージンがないため安くできているのでお得です。

 

もし、あなたが『黒×白』の方が色が好きだったらこっちです。

 

LAVER CUPモデルなるものもあります。

フェデラーの真っ赤なラケットの正体 【RF97 レーバーカップモデル】
フェデラーがレーバーカップで使っている赤いラケットの正体を明らかにしました。

 

また、フェデラーの試合を現役で観戦できるのもの残りわずかな期間です。

WOWOWでリアルタイムでフェデラーの応援をしましょう!

>>>フェデラーをテレビで応援する

 

グリップテープも、なくなりそうでしたらこちらからどうぞ。

 
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